
そば湯を飲む習慣は、江戸よりも先に信州で行われていた、寛延4年(1751)に書き上げられた「蕎麦全書」に記されています。
それを現代の栄養学をふまえて訳すと、「そば湯にはミネラルのカリウムが溶け出している。カリウムをたくさん摂取すると、高血圧症の予防になる。だからそば湯を飲むと健康に良い」となります。
カリウムを摂取した分だけ、体内からナトリウム(塩)が排出されます。塩分過多は高血圧症につながるため、その予防にカリウムは役立ちます。
カリウムは非常に水に溶けだしやすい成分で、蕎麦を茹でる際に、およそ3割ものカリウムが茹で湯に溶け出してしまいます。ですからそば湯を飲む時、蕎麦つゆをあまりたくさん入れ過ぎると、塩分や糖分のとりすぎになる心配があるので、健康のためにはそのまま飲むのが良いでしょう。